私のカスタマーサクセス失敗談
SaaSツールのカスタマーサクセスを2年程やってみて、良かったこともあればしくじった事も沢山あります。
今回は私自身の振り返りも兼ねて失敗談をまとめてみます!
目次
顧客に直接会わない
弊社のサポートチームは元々、電話・メール・チャット対応が中心でした。
で、いざ「これからはカスタマーサクセスだ!」といってプロアクティブな施策を企画をしようとするんですが、あんまり本質的な施策がでない。
これは困った、、ということで今度は、顧客の導入~活用までどんな作業をして、どうサービスを使って、結果どうなって、、というカスタマージャーニーを書いてみようぜ!ということで半日つかって合宿しました。
ちなみにその時参考にした本がこちら
ビジネスで活かすサービスデザイン-顧客体験を最大化するための実践ガイド
- 作者: ベン・リーズン,ラヴランス・ロヴリー,メルヴィン・ブランド・フルー,澤谷由里子,高崎拓哉
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2016/09/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そうすると、顧客行動の欄が全然うまらないんですね。
顧客が普段どんな状況、どんな目的で、どのように自社サービスを利用し、その結果サービスに満足してるのか、みたいな所が十分に分かってない事に気づきます。
電話やメールだけでも一定顧客の情報は聞けますし要望もどんどんあがってくるのでそれだけで普通に顧客理解した気になってしまうのですが、やはり対面で会うと情報量が圧倒的に増えます。具体的には、
- 想定していなかった使い方
- 普段の業務全体の流れとサービス利用のタイミング
- 利用PCの環境
この辺りの理解度が段違い。
3つめとか案外見落とされがちですが重要でした。
不動産業者さんで最近サービスログインが無いとおもってたらマンション常駐していてそこに個人用PCが無い!という事がありました。
※不動産の物件担当の方ってマンションが建った後はオフィスじゃなくてマンション常駐でサポートしたりするんです。
なので、広告代理店さんとのMTG時になるたけ数値を確認してもらうようにお願いしました。そうすると広告代理店さんがPC持ってるのでそこで画面確認できる訳です。
その時は実現できなかったのですが本当はタブレットとか貸与しちゃう!という施策とかが一番利く可能性もありますね。
後、案外ログインパスをブラウザ登録していない人も多すぎ。
ログインハードルむっちゃあがるので最初にパス登録してもらう案内を入れたり、お気に入り登録してもらったりするフローをチュートリアルで案内する施策などが考えられます。
自分でやらない
クライアントに使い方のサポートをするんですけど、実は自分がやったことない!というのも案外あるあるだったりするのではないでしょうか。
ウチの場合は自社ツールのデータをAdWordsやFacebook広告のような外部システムにアップロードしてデータを同期する必要があるのですが、外部システムは無数にあるのでアップロード時のトラブルシューティングはサポート外にしていました。
ただ、このCSVアップロード作業が大変難しい作業でクライアントがよくつまずくフローだったりします。
「サポートできないんです。。」
と回答した後に
「半日かけてやったんですけどできません。。」
という泣きの電話がかかったりして大変申し訳ない気持ちになることもしばしば。
開発工数が取れないのでサービス改善で対応することもできません。
ただ、自分で一回主要な連携ツールのアップロード手順を全部試してみると結構しょうも無いところで躓いていたりすることが分かったりします。
そうすると全部ではないですが大体「これかな?」という原因がつかめてくるので数分の電話サポートですぐに解決できちゃったりします。
面白いのはそういった手順を自分でやったことないサポートメンバーで「お客さんのリテラシーが低いんですよね」みたいな発言が出たりする。
でも自分で作業を体感してみると「いや、これ無理だわ。。。ちゃんとサポートしなきゃ」ってなるんですよね。
面倒ですけどクライアントの作業を丸々トレースしていく作業、お勧めです。
自分でやっちゃう
自分で顧客の作業をやると顧客理解自体は深まりますが、逆に本来クライアントが定常的にやる必要がある作業を自分達で代行してやっちゃう、というのも親切に見えていい結果を生まなかったりします。
自社でクライアントへ貢献しようという想いでサポートしていると
「この作業は本当に面倒でクライアントにやらせたくない」
とか
「うちのツールが訳分からん仕様だからクライアントに手間をおかけしている」
みたいな思考がめぐり、想いが強い程、親切心でクライアントの作業を代行してやっちゃったりすることがあります。
※恥ずかしながらこの罠は私もばっちりはまりました。
ただ、サービスの仕様(要望だしても)はそんなすぐには通常変えられないし優先度の低い領域だと一生変わらなかったりするので結局クライアントがやるしかない。
でそんな時に自社で作業代行してしまうと、
- クライアントが必要なタイミングで自分で作業できず毎回問い合わせが必要になり逆に手間
- 一生クライアントのスキル、習熟度が育たないのでツール愛着がわかない
経費精算システムとかも、とにかく使いにくいの多くて最初の導入時は社内反発されたりとかしますけど結局毎月みんなやるんでなれちゃうんですよね。
それと同じかなと思います。
売り方を変えない
導入時の要望や活用時の期待に答えられなくて解約がでる場合にどうにかして上手く活用してもらって解約阻止しよう!と考えるのですが、結構最初の売り方で勝負が決まってるパターンも多いです。
- 機能としてはあるけど満足度が低いもの
- 定常的なニーズではない(一回やって終わり)もの
あたりを訴求して売ってきている場合は、抜本的なサービス改善をしない限り活用段階でいろいろやってもひっくり返せる可能性が極めて低いです。
※勿論サービス自体を変えていくという方向性もあるのですがそれはそれでサービスの軸がぶれる恐怖と隣り合わせだったりします
この場合は、セールスと連携して、なるべく、
- 満足度が高い機能
- 継続しているクライアントの業務とその付加価値
を訴求して売ってきてもらうようにすると解約率が劇的に下がったりします。
また、このような連携をセールスと握っている場合は、たとえちょっと微妙な売り方をしてきても、セールスから「今回は●●で売ってきてるからサポート大変かも」という注釈つきで連携してもらえるようになるのでカスタマーサクセス側の精神衛生上もとても良いです。
他にも思い出したら色々ありそうですが、印象に残っているカスタマーサクセスの失敗あるあるを書きました。
なにかご質問あれば何でも答えますのでぜひご連絡くださいませ!