LPヒートマップ分析でよく見られたコンテンツ上部に再配置してもCV増えない理由
ヒートマップによるコンテンツ再配置PDCAが上手くいかない理由
LPのヒートマップ分析における鉄板ネタとして「よく見られているコンテンツを上部配置したりUI上目立たせて強化しよう」というのがあります。そういう改善運用されてるマーケッターの方しばしば見かけるのですが「よく見られてるコンテンツ強化したけど、、CVR増えないやん!!」といった状態になってしまうケース、多いのではないでしょうか。
私のクライアント様でも結構そういう方いるんですけど、色々観てて結局、上手くいかない理由は以下2つ何じゃないかなー、と思いました。
- クリック先のコンテンツの良し悪しを判断してない
- 誰がどのタイミングでクリックしたか区別して分析していない
クリック先のコンテンツの良し悪しを判断してない
具体的な失敗談をLPのヒートマップ分析における鉄板ネタとして「よく見られているコンテンツはユーザに刺さってるから目だたせよう、強化しよう、上部配置しよう」というのがあります。
失敗談その1)エステ業界マーケッター様
施術メニューの一覧がよくクリックされているからCTAに持って行ったがCVRあがらなかった。
失敗談その2)BtoB向けSaaS事業マーケッター様
グロナビの料金表がよく見られてるから、料金表をLP下部に置いたが成果変わらず。
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まあ、そりゃそうだろうと。「気になってクリックしちゃった」というのと「クリックした先のコンテンツがCVに寄与してるのか」というのは全然別ですよね。結局、コンテンツがユーザーにとって刺さったかどうか、どうコンテンツをCVに寄与するものに改善していくか、というのはマーケッターで考えないとですね。
ちなみに上手くいったクライアントもいますが、そのとき上部配置してCVR向上したコンテンツは「初心者の方はこちら」でした。新規ユーザがガンガン流入するのにそのユーザに必要なコンテンツが配置されていなかったということです。これは確かに成功するべくしてした感あります。
誰がどのタイミングでクリックしたか区別してない
これは先程のBtoB向けSaas事業さんであった事例です。LPのヒートマップを見ると大きく分けて3つよく見られてるコンテンツがありました。
- ツールの利用事例
- 料金ページ
- 機能一覧ページ
で、じゃあ3つよく見られてるコンテンツがあるけど、どれが刺さってるかわからないからこの3つを順番に強化したLPつくってABテストかけて高速PDCAだー!と当初考えてたのですが、ユーザグラムという個別の行動ログを追えるツール(GAのユーザーエクスプローラーをすごく良くしたやつのイメージ)で実際のユーザ行動を見ていったところ、以下のことがわかりました。
事例ページは資料請求CV後に読まれる
とりあえず資料請求した後、使い方が気になってくると、そこで事例を読み出す。
料金ページは販売代理店や個人事業主(ノンターゲット)多め
LPからすぐに料金ページに行くユーザは販売代理店や個人事業主多めでターゲット外。ターゲットである事業者様は機能とか一通り見た後に料金ページへ遷移する。
機能一覧ページを見てるユーザはターゲットだがコンテンツ回遊時に刺せてない
機能ページを回遊しているところで異常に滞在時間が長かったり、ページをいったり来たりする行動が見られたりと、必要なコンテンツを分かりやすく提示できていない可能性が高そう。
ヒートマップみてると3ページ全部赤くなってるのですが、実際は別々の属性の方が別々の検討フェーズでそれぞれのページをみていたということ。
これだけ分かると、やっぱり単に読まれたコンテンツを上部配置すればよいのではなく、それぞれのユーザに検討フェーズに沿ったコンテンツを順番に当てていくのが大事、というのを実感できます。
代わりにどんな分析をすればよいのか
コンテンツの良し悪しを判断するには、実際にサイトみてるユーザから意見を聞いちゃうユーザーテストがお勧めです。
たとえば、ポップインサイト社の「UsertestExpress」とかですね。
どのユーザがどの検討フェーズでどのコンテンツを見たがるかを把握するにはログ行動観察系のツールがお勧めです。
LP1枚で基本完結するようなサイトであればFullStoryやMouseflowなどが安価ですが、ページが沢山あるサイトであれば個別ユーザのページ遷移をセッション跨いで追えるツールの方が良いです。無料のものならGAのユーザーエクスプローラー、有料のものならビービット社の「Usergram」というツールがあります。